AGA治療に使われる成長因子とは?

AGA治療で使われる頭皮に注入する薬剤には発毛を促す複数の成長因子が含まれている

発毛・育毛を専門とする人気のAGAクリニックでは育毛メソセラビーやグロースファクター再生療法、HARG療法など、成長因子注入治療といわれる施術が行われています。

この成長因子の注入治療を取り揃えている点が主にプロペシアの単剤処方を行う一般病院と異なるAGAクリニックの大きな特徴のひとつに挙げられますが、一体、成長因子とはどのようなものなのでしょうか?

成長因子(グロースファクター)は再生因子、細胞増殖因子ともいわれ、動物の体内で特定の細胞の増殖や分化を促進するタンパク質の総称です。

この成長因子が細胞と細胞の間の信号物質として働くことで、細胞分裂や成長、組織形成が起こるのです。

ミノキシジルの発毛効果も毛乳頭細胞に働きかけることで、血流を促進するVEGFや毛母細胞の分裂、増殖を促進するKGF等の成長因子の産生を促すことが要因だといわれています。

このように本来体内で毛髪の成長に大きく貢献してくれる細胞増殖因子の作用に着目し、AGA治療に取り入れたのが、体外から成長因子を補う注入治療で、高い発毛効果が期待できる最新の治療法といわれています。

現在、AGA専門クリニックで使われているのは、主に培養液の中で育てられた幹細胞(人体の細胞の大元になる細胞)が培養液中に放出した成長因子です。

そして、脂肪由来幹細胞の培養液から抽出した成長因子を含む製剤(AAPE)はHARG療法に、人の皮膚由来幹細胞から抽出した成長因子を含むBenev製剤は、育毛メソセラビーやグロースファクター再生療法等に使われています。

細胞増殖因子の注入方法は?

評判のAGAクリニックでは注射針を使わず、痛みのない注入機器を導入している施設も増えてきています

成長因子の注入方法は注射針やダーマスタンプ、ダーマローラーといわれる微細針のついた医療用スタンプやローラーで頭皮に極小さな穴を開け、そこから薬剤を浸透させる方法もありますが、 (別途費用がかかりますが、痛みに弱い方には麻酔も用意されています)

最近では

  • エレクトロポレーション
    電気パルスで一時的に細胞間に穴を開け、成長因子薬剤を浸透させていく施術

  • MEDJET
    針を使わず炭酸ガスの噴射圧力によるジェット水流で薬剤を浸透させる施術

など、針を使わなず、傷みを伴わない注入方法で施術するクリニックも増えており、気軽に治療をうけやすくなってきています。

毛母細胞を活性化させ発毛を促す再生因子

多くの細胞増殖因子の中でも特にAGA治療に使われているのが、FGF(線維芽細胞増殖因子/Fibroblast Growth Factor)やIGF(インシュリン様成長因子)、VEGF(血管内皮細胞増殖因子)等の成長因子。

それぞれに期待される作用があり、大きく分けると血管形成を促し、血流を促進することで十分な栄養を毛母細胞に供給する血管新生タイプと毛母細胞の分裂、増殖を促す毛母細胞活性化タイプ、休止期の毛包を成長期に誘導するヘアサイクルの正常化タイプの再生因子があるようです。

真皮のコラーゲンやヒアルロン酸等を作ることでも知られる、FGF(線維芽細胞増殖因子)は23種類存在しますが、中でも毛髪の成長に重要な役割もつといわれる成長因子がいくつかあります。

KGF(ケラチノサイト増殖因子、ヒトオリゴペプチド-5 )
FGF7はKGFとも呼ばれ、髪の毛や皮膚が形成される際に必要なケラチン生成を助ける細胞増殖因子で、毛母細胞の分裂、増殖を促進し発毛促進因子とも呼ばれています。

FGF10もKGF同様に毛母細胞活性化させる成長因子といわれています。

bFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)
FGF2はbFGFとも呼ばれ、優れた血管新生作用により血流を促進し、十分な栄養を毛母細胞に供給します。

FGF1(酸性線維芽細胞増殖因子、aFGF)もFGF2同様に優れた血管新生作用があるといわれています。

(FGF-5のような脱毛司令を行う線維芽細胞増殖因子もあるようです。)

また、線維芽細胞増殖因子以外の細胞増殖因子では、

VEGF(血管内皮細胞増殖因子、ヒトオリゴペプチド-11)
FGF1やFGF2同様に血管新生作用により血流を促進し、十分な栄養を毛母細胞に供給します。ミノキシジルの発毛効果は毛乳頭細胞に働きかけ、KGFとこのVEGFの産生を促すことによるものといわれています。

IGF(インシュリン様成長因子)
インシュリンと構造が似た、細胞の成長と発達に関わる成長因子で、毛母細胞の分裂を促し、発毛を促進します。

HGF-1(肝細胞増殖因子)
毛髪活性化因子の発達を促進する働きがあり、休止期の毛包を成長期へと誘導する効果があるといわれいています。

など、様々な成長因子があり、多くのAGAクリニックが注入治療に使うBenev社やメソライン社の薬剤にも上記の再生因子が配合されています。

そして、いくつかのAGAクリニックではネーミング同様、これらの薬剤にミノキシジルやフィナステリドを加えて独自性を出しています。

成長因子注入の効果は?

成長因子の注入治療は、ワンランク上の投薬治療ともいわれ、様々なクリニックが独自のネーミングをつけ、高い発毛率を誇っていますが、実際の発毛効果はどの程度のものなのでしょうか?

この様な疑問を持つ理由は、多くのクリニックでメソセラピーやHARGと併用して、内服外用治療が強く勧められており、実際、発毛を実感している方の多くが、フィナステリドやミノキシジルによる治療も併用していると想像できるからです。

つまり、なんといってもフィナステリドやミノキシジルの併用治療だけでも、非常に高い発毛効果があるわけですから、実際の毛量の変化がどの治療によるかが不明瞭だということです。

高額治療の効果が出なかった時の保険のような印象も・・・。

たしかに内服外用治療に成長因子のパワーを加えれば、発毛までの期間が短くなったり、発毛率はアップするかもしれません。

ルネッサンスクリニックでは飲み薬や塗り薬とメソセラピー併用した場合、発毛までの期間が短いというデータがある
出典:ルネッサンスクリニック

しかし、いかんせん料金が高額ですので、それ程の価値があるのか?という疑問も湧いてきます。(予算に余裕がある方は問題ないかもしれませんが)

また、タンパク質である再生因子は凍結乾燥させないと時間と共に活性が落ちてくると指摘する医師もいます。

つまり、多くのクリニックが使用している、再生因子は溶液化されているためどれ程の活性が保たれているのか?という問題もあるわけです。

いずれにしても、初めてAGA治療をうける方がいきなり育毛メソセラピーやHARG療法を選択することはおすすめできません。

まずは経験豊富な医師のアドバイスをうけながら、フィナステリド内服+ミノキシジル外用から始めることをおすすめします。

それだけでも、多くの方は発毛を実感されているのです。

成長因子による治療は、内服外用治療を長期間(1年以上)うけても効果が感じられなかった場合にのみ選択する治療だと考えてみてはいかがでしょうか。

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